化学の演習書で「次に何をやるか」で迷う受験生の鉄板の選択肢が「化学重要問題集(数研出版)」と「化学の新演習(三省堂)」です。両者は名前が似ていますが、難易度と用途が全く違うため、選び方を間違えると半年無駄にします。
本記事では、2冊の本質的な違いと、共通テスト〜MARCH〜早慶〜難関国公立医学部の各レベルで最適な選択を整理します。
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この記事の役割
本記事は「新演習と重問はどっち?」「どの順番で、いつから」の判定です。重問単体のレベル・A/B問題の進め方は化学重要問題集のレベルと進め方、新演習を買うべきかの判定だけ知りたい人は化学の新演習はいらない?を参照してください。
2冊の根本的な違い
両者とも「化学の演習書」ですが、難易度に明確な階段があるのが特徴。化学重要問題集はMARCH〜地方国公立まで、化学の新演習は早慶〜難関国公立医学部レベルまで対応します。
化学は「理論化学/無機化学/有機化学」の3分野のバランスが重要。重要問題集は3分野を均等にカバーする網羅型、化学の新演習は難問特化型です。志望校レベルが共通テスト中心なら新演習はオーバースペック、早慶志望なら重要問題集だけでは足りないという階段構造です。
2冊の特徴と難易度
1化学重要問題集 / 共通テスト〜MARCH〜地方国公立の決定版
A問題(基礎)とB問題(応用)の2層構成。毎年改訂され入試問題が反映される。理論・無機・有機を均等にカバー。解説は必要最小限なので、教科書レベルの理解が前提。
2化学の新演習 / 早慶・難関国公立医学部向け
姉妹本「化学の新研究」と組み合わせる前提の難問演習集。300問超で、東大京大・早慶医学部レベルの難問が中心。解説の薄さを新研究で補う設計。
志望校別の選び方
| 志望レベル | 最適な構成 | 期間目安 |
|---|---|---|
| 共通テスト中心 | セミナー化学+重要問題集A問題まで | 6か月 |
| MARCH〜地方国公立 | 重要問題集A+B | 8か月で2周 |
| 早慶・国公立医学部 | 重要問題集→化学の新演習 | 12か月(4+8) |
| 東大京大・難関医学部 | 化学の新演習+過去問 | 8か月+過去問4か月 |
共通テスト化学の比率が高い人は、まず 共通テスト化学で9割を取る暗記の最小構成 で土台を固めてから演習に入ると効率的です。
結論の1冊をそのまま確認する
MARCH・地方国公立までなら重要問題集、早慶・国公立医まで狙うなら重問のあとに新演習。詳しい説明つきの一覧は記事末尾の「この記事で紹介した教材」にあります。
〜MARCH・地方国公立|化学重要問題集早慶・国公立医|化学の新演習重問で手が止まる分野は、講義で先に埋めると周回が速い
理論の計算問題で解説が追えないのは、演習量よりも理解の抜けが原因のことが多いです。詰まる分野だけ講義形式の映像授業で補ってから周回に戻る方法もあります。
【公式】スタディサプリ高校・大学受験講座化学の新演習はいらない?【志望校別の判定】
いらないかどうかの結論だけを先に知りたい人は、判定専用の記事 化学の新演習はいらない?重要問題集だけで十分な人・必要な人を判定 にまとめています。
検索でも多い「化学の新演習はいらないのでは?」という疑問には、志望校レベルで答えがはっきり分かれます。ここまでの難易度の階段構造から、判定基準を先にまとめます。
1いらない人:共通テスト中心〜MARCH・地方国公立志望
重要問題集で合格ラインまで届きます。新演習はオーバースペックで、消化不良になるリスクの方が大きいです。
2必要な人:早慶・難関国公立医学部志望
重要問題集だけでは演習の上限が足りません。重問を仕上げたうえで新演習に進む前提で計画を組みます。
3迷ったら:重要問題集を完成させてから判断
まず重要問題集を完成させ、過去問演習で不足を感じた分野だけ新演習で補強するのが、失敗しない順番です。
化学の新演習のレベルはどのくらい?重問との難易度差
新演習のレベル、いつから始めて何ヶ月で終えるかの具体的な設計は化学の新演習のレベルと使い方|いつから・何ヶ月・有機だけでもOK?にまとめています。本記事は2冊の比較に絞ります。
新演習のレベルの入口は重要問題集のB問題を7割以上自力で解ける段階です。重問がA問題(標準)とB問題(応用)の二層なのに対し、新演習は全体がB問題以上の帯に置かれています。偏差値で言えば62〜72が守備範囲で、重問A問題の段階で入ると1題あたりの所要時間が3倍になり周回が止まります。
レベル判定は理論化学の平衡分野を3問試すのが最短です。解法の方針が5秒で立つ問題が2問以上あれば適正、0問なら重問B問題に戻ってください。有機や無機は単元ごとの難易度差が大きく、判定材料には向きません。
化学の新研究はいらない?必要な人・不要な人の判定
化学の新研究は問題集ではなく辞書です。したがって「解くために買う」なら不要、「調べるために置く」なら有用、が判定の軸になります。新研究がいらないのは、共通テストと中堅私大までで完結する人と、入試まで6か月を切っている人です。前者は教科書と重問の解説で説明が足りており、後者は網羅的な読み物に時間を割く余裕がありません。
逆に必要なのは、難関国公立・医学部で「なぜそうなるか」を問う記述が出る人です。ただし通読は絶対にしないこと。重問や新演習で解説が腑に落ちなかった箇所だけを索引から引く、1回5分以内の使い方に限定してください。
化学重要問題集の年度版の違いはどこまで気にするか
重要問題集は毎年改訂されますが、収録問題の入れ替わりは全体の1〜2割程度で、構成・単元配列・A/Bの区分は年度をまたいでほぼ変わりません。1〜2年落ちの版を使う不利はほとんどなく、間違えた問題の履歴が残っている手元の版を使い切る方が得です。
例外は学習指導要領の改訂をまたぐ年度です。単元の移動があるため、旧課程版だと現行課程で扱わない内容が残っていたり、新規単元が入っていなかったりします。購入前に自分の学年の課程に対応した版かどうかだけは確認してください。
化学重要問題集はいつから始めるか
重要問題集1冊の使い方(A/B問題の使い分け・3周の設計・次の1冊)は化学重要問題集のレベルと進め方|A/B問題・いつから・次の1冊で詳しく解説しています。
標準的な開始時期は高3の4〜6月です。前提は、セミナーやリードα等の傍用問題集で既習範囲の基本問題が7割方解ける状態になっていること。この土台がないまま重問に入ると、解説の行間が埋められず1題に30分以上かかって挫折します。
時期別の判断は次の通りです。高2の冬から先行するなら理論分野だけに絞ります(無機・有機は未習範囲が多く効率が悪い)。高3の夏休み開始でも、A問題中心なら入試までに2周は可能です。10月以降に始める場合は、全問を回すのは諦めてA問題+志望校頻出分野のB問題に絞るのが現実的です。「全部やる時間はないから手を付けない」が一番もったいない選択です。
問題数と1周にかかる時間
重要問題集は例年約300題(A問題が約7割・B問題が約3割。年度版で数題変動)、新演習は約330題です。1題あたりの所要時間はA問題で10〜15分、B問題で20〜30分が目安なので、重問1周はおよそ60〜80時間。週10時間確保できるなら6〜8週間で1周できる計算です。
2周目は解けなかった問題に絞るため所要時間は半分以下に落ちます。「1周目は時間がかかって当たり前」と織り込んで計画を立ててください。逆に、1周目から全題ノートに清書するような進め方は時間が溶けるだけなので不要です。
重要問題集・新演習の進め方【周回数の目安】
1重要問題集 / A問題2周→B問題1周
1日5問×30日でA問題を1周。1周目は7割の正解率を目標に、解けない問題は印を付けて2周目で集中。B問題は1周だけで構わない。
2化学の新演習 / 新研究と並走
新演習1問につき新研究を辞書代わりに参照。1問40分かかる難問が多いので、平日3問・週末5問×8か月で1周。2周目は苦手分野のみ。
3過去問演習 / 8月から本格化
志望校の過去問を最低5年分。難問は新演習や新研究に戻って類題を探す往復運動を作る。これが直前期の伸びを決める。
化学重問・新演習でやりがちな失敗
NG① / 重要問題集をいきなり始める
教科書レベルが頭に入っていないと解説の薄さで詰まる。先にセミナー化学やリードLightノートで基礎を固めてから重要問題集に進むこと。
NG② / 化学の新演習を早慶志望以外に薦められて買う
共通テスト中心や中堅大志望なら新演習はオーバースペック。重要問題集を3周する方が直結します。
NG③ / 理論・無機・有機を分けてやる
化学は3分野が絡む融合問題が入試で出る。分野ごとに固めるのではなく、重要問題集の収録順(章別)に従って進めるのが効率的。
並走させるべき他の教材
化学の暗記分野(無機・有機)は「橋爪のゼロから劇的にわかる無機化学/有機化学の授業」が分かりやすく、理論化学は「鎌田の理論化学の講義」で入門できます。重要問題集の前段階としてこれらを使うと、解説の薄さに困らなくなります。
化学の新演習・重問のよくある質問
志望校が早慶以上なら両方。それ以下なら重要問題集だけで十分。両方やる時間があるなら過去問演習に時間を回した方が点に直結します。
毎年改訂されますが、1年分前の版でほぼ問題なし。古本屋で安く買えるならそれでOK。ただし古過ぎる版(5年以上前)は問題傾向が変わっているので避けてください。
通読せず辞書として使うのが正解。1000ページの大著なので通読しようとすると時間がいくらあっても足りません。判定の詳細と索引の引き方は化学の新研究はいらない?必要な人・辞書としての使い方にまとめています。
理論・無機・有機で「回し方」を変える
化学は分野ごとに性質が違うため、同じ問題集でも回し方を変えると効率が上がります。暗記比率の高い無機は短サイクルで反復回数を稼ぎ、計算中心の理論は手を動かす時間を確保するのが基本です。
| 分野 | 性質 | 回し方の軸 |
|---|---|---|
| 理論 | 計算・思考中心 | 手を動かす演習時間を確保。1問あたり長めでOK |
| 無機 | 暗記中心 | 短サイクルで反復回数を稼ぐ。5秒で思い出す想起練習 |
| 有機 | 暗記+構造推定 | 知識を入れたら推定問題で出力。暗記と演習を交互に |
1無機は「想起練習」で高速周回
覚えた知識は読み返すより思い出すほうが定着します。スキマ時間に5秒で答える反復を挟みましょう。
2理論は×問題を3周で潰す
計算は手順の再現がカギ。間違えた問題に印を付け、解法を閉じて自力再現できるか確認します。
3有機は知識→推定をセットで
反応暗記だけで止めず、構造決定問題で出力するところまでを1セットにすると定着が段違いです。
得点源にしやすい理論を軸に、無機・有機は反復回数で底上げ。苦手分野ほど短サイクルで触れる回数を増やすのが近道です。
紹介した参考書・講座

解説が薄いと感じたら、講義パートを映像授業で補う
重要問題集も化学の新演習も、解説は必要最小限に絞られています。理論化学の理解が抜けたまま演習に入ると、解説を読んでも腑に落ちない状態が続きがちです。つまずいた分野だけを講義形式の映像授業で拾い直すという手もあります。
【公式】スタディサプリ高校・大学受験講座ここまでの整理
持ち帰ってほしいのは次の3つです。
- 2冊は階段。重要問題集(〜MARCH・地方国公立)→化学の新演習(早慶・国公立医)。
- 新演習は新研究とセットで使う前提。単体だと解説が足りない。
- 共通テスト中心なら新演習は不要。重要問題集A+過去問の方が直結する。
化学に時間を回すために、英単語など並走科目の反復を効率化したい方は、本サイトの きおくる ドリル一覧(英単語・古文・コロケーション・IT資格の4,590問)をご活用ください。すべて無料・登録不要・スマホ完結です。
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