「化学の新研究(三省堂)」は、受験化学で最も詳しい参考書として知られる一方、800ページ超の分量から「通読は無理」「自分に必要なのか分からない」という声が絶えません。結論から言うと、新研究は通読する本ではなく辞書として引く本であり、必要かどうかは志望校と使っている問題集で決まります。本記事ではレベル感、必要な人の条件、読むべき範囲の絞り方を整理します。
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化学の新研究のレベルは?教科書との位置関係
新研究のレベルは「教科書の上位互換」です。範囲は高校化学ですが、「なぜそうなるか」を大学の内容に踏み込んで説明するのが特徴で、教科書や標準的な参考書が「そういうものとして覚える」で流す箇所に理由を与えてくれます。難しい問題集ではなく、深い解説書という位置づけです。したがって「新研究が難しくて読めない」のではなく、「今の自分に必要なページだけ読めていない」ことが問題になります。
丸暗記した知識と理由づけされた知識では、後者の方が忘却曲線の減衰が緩やかであることが知られています。「なぜ」を1行添えるだけで反復回数を減らせるため、新研究で理由を確認する行為は暗記の時短投資と考えるのが正しい使い方です。
化学の新研究が必要な人・不要な人
1必要:難関国公立・医学部で、新演習や過去問の解説に不満がある人
上位演習書の解説は簡潔なので、「なぜこの反応が起きるか」を確認する辞書があると演習が止まりません。新演習と新研究は同じ著者で、参照関係も相性も良好です。
2必要:化学を得点源にしたい早慶理工・上位国公立志望
正誤問題や論述で「一段深い理解」が差になる大学では、疑問が出るたびに引く辞書として機能します。
3不要:共通テストまで/MARCH理系で時間がない人
このレベルでは標準的な講義系参考書(宇宙一わかりやすい・鎌田の理論化学など)+問題集で十分です。新研究を買っても開く場面がほぼありません。
「いらない」と言われる理由と、その反論が成り立つ条件
「新研究はいらない」という意見の根拠は主に3つです。①入試に不要な深さまで書いてある、②通読すると時間が溶ける、③講義系参考書で代替できる。①と②は通読を前提にした批判であり、辞書として使う限り当てはまりません。③はMARCH以下では正しく、難関国公立・医学部では代替しきれない、というのが実態です。つまり「いらないかどうか」は本の問題ではなく、志望校のレベルと使い方の問題です。判定に迷う場合は、いま使っている問題集の解説で「理由が分からず暗記で流した箇所」が週に何回あるかを数えてください。週3回以上あるなら、辞書を導入する価値があります。
読むべき範囲の絞り方【使い方3ステップ】
| ステップ | やること | やらないこと |
|---|---|---|
| 1. 問題集を主軸に置く | 重問・新演習を回す | 新研究の1ページ目から読む |
| 2. 疑問が出たら引く | 索引から該当項目だけ読む | 前後の章まで読み広げる |
| 3. 引いた箇所に印を付ける | 2回引いた項目は要点をノート化 | 印の付いていない章の通読 |
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新研究でやりがちな失敗3つ
NG①:最初から通読しようとする
800ページ超を頭から読むと、理論の途中で挫折して「難しい本」という印象だけが残ります。辞書を通読する人がいないのと同じで、引く本です。
NG②:問題集より先に新研究を買う
疑問は問題演習から生まれます。演習の軸(重問・新演習)がないまま新研究だけ持っていても、どこを読むべきか決まりません。
NG③:読んだだけで覚えたことにする
理由を理解しても、想起練習をしなければ試験では出てきません。引いた項目は「見ずに説明できるか」を翌日にテストして初めて得点力になります。
活字で理解が進まない分野は、映像授業で先に骨組みを作る
新研究の解説が頭に入らないのは、その分野の全体像がまだできていないサインです。理論化学の苦手分野だけ講義形式の映像授業で骨組みを作ってから辞書を引くと、吸収率が変わります。
【公式】スタディサプリ高校・大学受験講座化学の新研究のよくある質問
セットが前提ではありません。優先すべきは演習書(新演習)で、新研究は「解説で疑問が残ったときの保険」です。ただし難関国公立・医学部志望で新演習を使うなら、同じ著者の新研究が最も参照しやすい辞書になります。
早くありません。むしろ理論化学を学びながら疑問をその場で潰せるので、辞書としての稼働率は高3より高くなります。ただし通読しないという原則は同じです。
大学入試で新研究にしか載っていない知識が直接問われることは稀です。目的は知識の追加ではなく、既習事項の理由づけによって暗記を安定させること。「出るから読む」ではなく「忘れなくなるから引く」が正しい期待値です。
まとめ|化学の新研究のレベルと使い方
- 新研究は問題集ではなく辞書。レベルは「教科書の上位互換」で、通読は想定されていない。
- 難関国公立・医学部・化学を得点源にしたい人には必要、共通テスト〜MARCHなら講義系参考書で足りる。
- 問題集を主軸に、疑問が出たら索引から引き、引いた項目は翌日に想起テストする。

