AWSの移行戦略「7R」とは、ワークロードをAWSクラウドへ移すときの7つの方針、Retire・Retain・Rehost・Relocate・Repurchase・Replatform・Refactorの総称です。結論から書くと、7Rは「移さない」「変えずに移す」「変えて移す」の3つに大別できる選択肢で、選ぶ順番は「捨てる・残すを先に決め、次に変えずに移せるものを移し、変える価値があるものだけを作り直す」です。この記事では、AWS Prescriptive Guidanceの定義をもとに7つの意味と選び方を整理し、AWS SAP(SAP-C03)での出題との関係まで示します。
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結論:7Rは「移さない・変えずに移す・変えて移す」に分かれる7つの移行戦略
AWS Prescriptive Guidanceの大規模移行ガイドは、移行戦略を「ワークロードをAWSクラウドに移行するために使用するアプローチ」と定義し、7つの戦略を「7 R」と呼んでいます。移行しないRetire・Retain、アプリを変えずに移すRehost・Relocate、製品の置き換えや最適化・作り直しを伴うRepurchase・Replatform・Refactorの3群に分けると整理しやすくなります。
7Rは、システムごとに戦略を決めて組み合わせて使います。
大規模移行でよく使われるのはRehost・Replatform・Relocate・Retireです。Refactorは移行と同時にモダナイズするため最も複雑で、推奨は「まず移し、移行後にモダナイズする」です。
7Rの意味一覧|Retire〜Refactorを1行で
| 戦略 | 別名・日本語 | 何をするか | 典型的な場面 |
|---|---|---|---|
| Retire | 廃止 | アプリを廃止・アーカイブし、サーバーを停止する | 業務上の価値がない。90日間アクセスがない |
| Retain | 現状維持 | 移行元に残す | データ所在地の要件、SaaS版を待つ |
| Rehost | リフト&シフト | アプリを変更せずにAWSへ移す | 多数のサーバーを短期間で移したい |
| Relocate | リロケート | プラットフォームごと、そのクラウド版へ移す | 構成を変えずに最速で移したい |
| Repurchase | ドロップ&ショップ | 別の製品・新バージョン・SaaSに置き換える | 従来型ライセンスからSaaSへ |
| Replatform | リフト・ティンカー&シフト | 移しながら一部を最適化する | SQL ServerをAmazon RDS for SQL Serverへ |
| Refactor | リアーキテクト | クラウドネイティブに作り直す | モノリスが事業の速度を妨げる |
ガイドはRetireの目安として、CPUとメモリの平均使用率5%未満の「ゾンビアプリ」、90日間で5〜20%の「アイドルアプリ」を示しています。Rehostの自動化にはAWS Transform MGN(旧AWS Application Migration Service)などが挙げられています。
7Rの選び方|判断する順番3ステップ
利用率や接続の記録から廃止できるアプリを洗い出し、データ所在地の要件や専用ハードウェアへの依存など、すぐに移せないものを残す側に分けます。Retainは「今は移さない」という判断です。
ガイドは、クラウドに載ってからのほうがAWSのサービスと統合しやすく、最適化や作り直しもしやすいと説明しています。
マネージドサービスで運用負荷を下げるならReplatform、SaaSで置き換えるならRepurchase、事業の要求にアーキテクチャが追いつかないならRefactorです。大規模移行では、Refactorは他の戦略が使えない場合に限ります。
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Udemyで講座・模試を探す →AWS SAPでの出題との関係|C03のタスク4.1
SAP-C03の試験ガイドでは、第4分野「回復力、移行、事業の継続性」(配点15%)のタスク4.1「AWSのフレームワークを使用した移行戦略の設計」が7Rに直結します。タスク4.1には次の6つのスキルが並んでいます。
- 4.1.1:依存関係の把握と移行ウェーブを計画するポートフォリオ評価
- 4.1.2:リホスト戦略(AWS Transform MGN、AWS Transform)
- 4.1.3:データベースとデータの移行(AWS DMS、AWS DataSync)
- 4.1.4:マネージドサービスでのリプラットフォーム(Amazon RDS、Aurora、ECS、Lambda)
- 4.1.5:リファクタリング(マイクロサービス分割、サーバーレス化、ストラングラーフィグパターン)
- 4.1.6:メインフレームを含むレガシーのモダナイズ
C02では「ワークロードの移行とモダナイゼーションの加速」が独立した分野(20%)で、そのリホストやリファクタリングのスキルがC03ではタスク4.1に統合されました。問題文の「変更せずに最短で」はRehost、「運用負荷を減らしてマネージドに」はReplatform、「段階的に置き換える」はRefactorを指します。この対応は5秒で答える想起練習で固めてください。
7Rは合格後の提案でも使える枠組み
筆者(夫)はSAPに合格したあと、顧客にクラウドシフトを提案するとき、どのシステムをどう移すかを7Rの考え方で整理しました。7Rは試験のための暗記事項ではなく、システムの一覧を前に「どれを、どの方針で移すか」を顧客と同じ言葉で話すための枠組みです。
AWSのガイドも、戦略は移行準備の段階や最初のポートフォリオ評価で選ぶものとしています。システム一覧に7Rの列を1つ足すだけで、作り直しが必要なシステムの数が見えます。
AWS移行戦略7Rの理解でやりがちな失敗3つ
Rehostはアプリを変更せずにAWSへ移す戦略、Relocateはプラットフォームごとそのクラウド版へ移す戦略で、RDSを別のVPCやアカウントへ移す移動も含みます。
Refactorは最も複雑でコストがかかります。SAPの問題でも、要件に「最短」「最小の変更」とあればRefactorは選びません。
Retireは廃止、Retainは移行元に残す判断です。Retainには「SaaS版の公開を待つ」のように将来の移行を前提にしたものも含まれます。
AWS移行戦略7Rについてよくある質問
Q. Replatformでは、アプリをどこまで変更していいのですか?
ガイドは、目標と移行先に応じて変更は少ないことも多いこともあるとしています。例はOSの更新、マネージドDBへの移行、Gravitonの採用、仮想マシンのコンテナ化です。中核を作り直すならRefactorです。
Q. メインフレームは、7Rのどれに当たりますか?
1つには決まりません。ガイドはRetainの例にメインフレームを挙げて慎重な評価が必要だとする一方、Refactorの例にも事業の要求に応えられなくなったメインフレームを挙げています。
Q. 7Rを覚えるコツはありますか?
3群に分けて覚えるのが確実です。Retire・Retain(移さない)、Rehost・Relocate(変えずに移す)、Repurchase(製品ごと置き換える)・Replatform(一部を最適化して移す)・Refactor(作り直す)の順に並べると、名前の似た戦略の違いも区別しやすくなります。
まとめ
- 7Rは、AWS Prescriptive Guidanceが定義する7つの移行戦略。移さない・変えずに移す・変えて移すの3群に分けて整理できる
- 選ぶ順番は、捨てる・残す→変えずに移す→変える価値があるものだけ変える
- SAP-C03では第4分野のタスク4.1(6スキル)で問われる。要件の言葉と戦略の対応を固めておく
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